贈与契約書の書き方と雛形

贈与契約書は、税務調査の対策として贈与者と受贈者の意志表示を明確にするために作成します。
贈与者による意思表示があっても、贈与者がそのことを知らなければ、贈与にはなりません。
意思表示は、書面または口頭でおこなうことができますが、口頭による意思表示は、受贈者がいつでも撤回することが可能です。
確実に贈与をおこないその証拠を残すためには、贈与のたびに「贈与契約書」を作成するとよいでしょう。
贈与契約書の書き方は?手書きでも大丈夫?

贈与契約書の書式は自由であり、決まった書き方はありません。
手書きであっても、パソコンを使用してもかまいません。
贈与契約書の書き方で無効になる可能性
贈与契約書の書き方・書式は自由ですが、明記が必要な項目があります。
必要項目が欠けると、税務調査で贈与契約書が無効となる可能性もあるので要注意です。
- いつ(贈与の時期)
- 誰が(贈与者)
- 誰に(受贈者)
- 何を(贈与する財産の内容)
- どうやって(贈与の方法)
不動産の贈与契約書の書き方と印紙
不動産を贈与する場合の贈与契約書は、上記に加えて以下の項目も必要です。
贈与後は登記・名義変更も行ったほうがよいので、司法書士に相談してみましょう。
- 対象物件の正確な所在地を記載(法務局で登記事項証明書を取得して確認)
- 200円の印紙を贈与契約書に貼る
贈与契約書の雛形と公正証書
贈与契約書の雛形は、税理士事務所、司法書士事務所、銀行などの金融機関などのサイトから入手することができます。
住所・氏名は手書き、押印は実印が望ましいでしょう。
さらに、贈与の日付を確実に証明するためには、公証役場で贈与契約書を公正証書にしておけば万全です。
贈与契約書を作成した後の対応
贈与の証拠を残すためには、贈与契約書の作成だけでなく以下の対応も必要です。
- 贈与は、受贈者が普段使っている口座に振込でおこなう
- 印鑑や通帳は、受贈者が管理し、お金を自由に使える状態にしておく
- 贈与税の申告・納税をおこなう
贈与者が受贈者に内緒で口座を作って預金をしていた場合は、名義預金とみなされ相続財産に加算されます。
贈与税の申告方法

1月1日から12月31日までの1年間に財産の贈与を受けた場合は、贈与税の申告が必要です。
- 暦年課税:1年間の贈与額が110万円を超える場合のみ申告が必要
- 相続時精算課税:1年間の贈与額が110万円以下であっても申告が必要
申告期限 | 贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日 |
申告先 | 受贈者の所在地を管轄する税務署 |
納付方法 |
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贈与税申告の必要書類

贈与税申告に必要な書類は、暦年課税・相続時精算課税で異なります。
また贈与の種類によって異なります。
贈与の種類については、以下のページで個別に解説しています。

贈与税申告の必要書類~暦年課税の場合~
暦年課税にも配偶者控除特例、住宅取得等資金の非課税適用などで必要書類が異なります。
暦年課税の贈与税申告の必要書類
- 贈与税の申告書
- 戸籍謄本または抄本(贈与税の税率の特例を適用する場合)
配偶者控除特例による暦年課税の場合
- 贈与税の申告書
- 受贈者の戸籍謄本または抄本
- 受贈者の戸籍の附票の写し
- 登記事項証明書等、受贈者が居住用不動産を取得したことを証明する書類
住宅取得等資金の非課税を適用し暦年課税を選択する場合
- 贈与税の申告書
- 受贈者の戸籍の謄本等
- 源泉徴収票など所得税に係る合計所得金額を明らかにする書類
- 住宅に関して必要な書類(売買契約書など)
贈与税申告の必要書類~相続時精算課税の場合~
相続時精算課税にも住宅取得等資金の非課税適用などは必要書類が異なります。
相続時精算課税の贈与税申告の必要書類
- 贈与税の申告書
- 相続時精算課税選択届出書
- 受贈者や贈与者の戸籍謄本または抄本等
- 受贈者の戸籍の附票の写し等
- 贈与者の住民票の写し等
- 贈与者の戸籍の附票の写し等
住宅取得等資金の非課税を適用し相続時精算課税を選択する場合
- 贈与税の申告書
- 相続時精算課税選択届出書
- 受贈者や贈与者の戸籍の謄本または抄本等
- 受贈者の戸籍の附票の写し等
- 贈与者の住民票の写し等
- 贈与者の戸籍の附票の写し等
- 源泉徴収票など所得税に係る合計所得金額を明らかにする書類
- 住宅に関して必要な書類(売買契約書など)
贈与税の申告に必要な書類は、申告内容によって異なります。
疑問や不安がある場合は、申告期限になってあわてないよう、税理士などの専門家に相談するとよいでしょう。

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