マンション売却と営業マンの関係性
本ページでは、マンション売却における営業マンの見分け方について、自分自身の経験を元に解説しています。
マンション売却を決断して一番最初にすることは、不動産会社に査定を依頼することだと思います。
依頼先が1社だけなら、良い営業マンだろうが、悪い営業マンだろうが、そもそも選択がないので悩む必要もありません。
反対に少しでも高く売りたいなら、当サイトでも紹介している「マンション売却一括査定」を利用して、不動産会社を比較することになります。
とは言え、不動産会社を比較する際に査定金額だけを比較しても意味はありません。
査定金額は目安にはなりますが、実際に購入するのは買主であり不動産会社ではないからです。
中には、マンション売却の媒介契約を取るために、あえて相場より高い金額を提示する悪質な業者もあるので注意が必要です。
査定金額の他に何を比較するかと言えば、担当の営業マンです。
良い営業マンと悪い営業マンでは、マンション売却の結果が天と地ほど変わるので、ぜひ参考にしてください。
マンション売却での営業マンの重要性
自分も所有するマンションを売却する際、どの不動産会社と契約するのか悩みました。
その際の体験に沿って、営業マンの選び方について解説していきます。
自分自身、この経験を通してマンション売却の営業マンに対する考えが変わりました。
少し長くなりますが必ず役立つと思います。
売却したマンションのスペック
自分が売却したマンションのスペックは以下の通りです。
- 購入:2011年11月、1750万円で購入、100万円程度のリフォームを実施
- 売却:2016年10月、2090万円で売却
- 築年月:2000年4月
- 間取り:3LDK、70㎡
- 総戸数:23戸
- 所在地:埼玉県ふじみ野市
- 駅徒歩:12分
正直言って、どこにでもある小さなマンションですね。
デベロッパーもブランド力のある財閥系ではなく、地場のまあまあ中堅程度の不動産会社でした。
マンション売却一括査定を依頼したサイト
とは言え、少しでも高くマンションを売却したかったので、まずは一括査定を依頼しました。
依頼したのは、以下の一括査定サイトです。
- 不動産売却HOME4U
- マンション.navi
- イエウール
注)マンション売却一括査定については、こちらのページで解説しています。
中古マンションを相場より高く売るには? マンション売却の知識では、売却のコツ、売れやすい時期、内覧の注意点、仲介手数料、税金、確定申告など、詳しく解説しています。
マンション売却の知識
マンション売却の一括査定を申し込むと、メールで大体の査定額が送られてきます。
メールに記載された金額を見れば、大体の相場が分かります。
とは言え、査定金額の幅は広いです。
自分の経験で言えば、最低査定額は1600万、最高査定額は2200万でした。
査定額に大きな開きがあるのは、立地条件、物件条件などの概要だけで算出しているため、実際に部屋を見ていないからだと思い、数社に訪問査定を依頼しました。
マンション売却で営業マンの訪問査定を依頼した不動産会社
一括査定で連絡してきた不動産会社は、ネット専業の会社、リアル店舗のある会社に分かれます。
フットワークが軽いのは、リアル店舗のある会社の営業マンですね。
自分の場合は、以下のような4社に訪問査定を依頼しました。
- マンデベ系の不動産会社
- 地場零細の不動産会社
- 地場大手の不動産会社
- 仲介大手の不動産会社
実際の会社名については、伏せさせていただきます。
記事の内容が「良い営業マンと悪い営業マン」ですので、クレームが予想されるためです。(汗)
マンション売却での営業マンの見分け方
4社の営業マンに順番に訪問して貰ったのですが、それなりに時間を要するので大変でした。
とは言え、マンション売却は大金が動くわけですから、大変などと言っている場合ではありません。
訪問査定なので、部屋を細かくチェックしていくのかと思ったのですが、予想に反して、各部屋を1~2分づつ見る程度でした。
査定金額については、各営業マンともあらかじめ資料として準備していました。
壊れやすい場所のチェックだけして、査定金額に反映させる段取りなのでしょう。
マンション売却の営業マンを訪問査定で見分ける確認項目!
マンション売却査定を受けるにあたって、営業マンに確認する項目をあらかじめ決めておきました。
以下のような項目ですね。
- 査定金額
- 会社の強み
- 販売戦略
- 仲介手数料の値引き
査定金額については、実際には各営業マンとも資料で準備していたので、それ以外の項目について、口頭で確認しました。
マンション売却の悪い営業マンその1.マンデベ系の不動産会社
一番最初に訪問は、マンション・デベロッパー系で、まあまあ大手、仲介シェアだと全国で10番以内に入る会社の営業マンですね。
査定額は、1番高かったです。
一般的なイメージで言うところの「営業力」は、一番凄かったと思います。
流れるようなトークで押しも強い、そんな感じですね。
販売戦略については、営業マンが考えるマンションの「売り」を、内覧客に説明しますというものでした。
具体的には、以下のような点です。
- 大規模スーパーが近い
- 幼稚園、小学校、中学校が近い
- 南向き
これらについては、自分自身がマンションを購入する際に気に入った点なので、分かってくれてるなと感じましたね。
でも、後になって気づいたのですが、この人は悪い営業マンなんです。
マンション売却の悪い営業マンその2.地場零細の不動産会社
次の訪問は、地元1店舗の零細不動産会社の営業マンでした。
地元だけあって、売却するマンションについても知見があるということでした。
査定額は、1番安かったです。
あまりに査定額が安いので理由を聞いたのですが、同じマンション、同じ位置の1階の部屋が、なかなか売れなかった事例を紹介されました。
自分の部屋は3階だったのですが、確かに、その1階の部屋はなかなか売れず、リフォームした後でも大幅に値下げして、やっと売れた部屋でした。
自分も気になっていましたが、その部屋は同じマンションの中で特別悪い部屋であり、自分の部屋には当てはまらないとも感じていました。
その部屋は1階で、窓の外が駐輪場なので、プライバシー確保の面で難点がありました。
また、南向きとは言え、戸建てが隣接しているので、日当たりが悪かったのです。
自分の部屋は同じ位置ですが、3階なので駐輪場も関係なく、日当たりにも問題がありませんでした。
この営業マンでは、自分のマンションを高く売れない、悪い営業マンだと感じたので、契約する気はゼロになりましたね。
ちなみに、仲介手数料の値引きはできないと回答されたのも、この営業マンだけでした。
マンション売却の良い営業マンその1.地場大手の不動産会社
次の訪問は、地場大手不動産会社の営業マンでした。
自分の場合、住み替えのマンションを先に購入、その後、住んでいたマンションを売却するという流れだったのですが、住み替え先の物件を仲介して貰った会社ですね。
まあまあ良い営業マンだったので、この方に頼んでも良かったのですが、この不動産会社と売却するマンションとの距離が気になって契約しませんでした。
高速を使っても1時間くらいの距離ですね。
住み替え先のマンションとは近いのですが、それでは意味がないですからね。
マンション売却の良い営業マンその2.仲介大手の不動産会社
最後の訪問は、不動産仲介シェアで3本指に入る大手の営業マンでした。
査定額は、2番目に高かったですね。
最初の印象は、なんだか頼りなさそうかな?でしたね。
年齢的にも一番若かったですから。
結果的には、この営業マンと契約したのですが、会社が大手だったからではありません。
理由は2点です。
- 1番熱意があった。
- 販売戦略に納得できた。
熱意は凄かったですね。押しが強いとかではなく、訪問後にポストに手書きの礼状を入れたりなど、本当に若手?と感じました。
決定的だったのは、販売戦略です。
今まで営業マンと言えば、トークが上手くて、押しが強くて、というイメージでしたが、マンション売却の場合、それでは駄目だということに気づかされたからです。
マンション売却での良い営業マンの条件
マンション売却を依頼する営業マンは、新築物件を売る営業マンと同じ基準で判断しては駄目です。
販売戦略に決定的な違いがあるのです。
マンションの売買は、売主と買主に分かれます。
つまり、売主側の営業マン、買主側の営業マンに分かれるということです。
マンション売却で営業マンと契約しても買主を案内するのは別人!
売主と買主の両方を担当することは、ほぼありません。
業界最大手でも仲介のシェアは10%程度、90%は売主と買主、それぞれ別の会社の営業マンが担当することになるのです。
内覧客に〇〇といった「売り」を説明します!と言われても、「内覧に同行するのは買主側の営業マンであって、私が契約した営業マンではない」のです!
また、売り買いの両方を一人の営業マンが担当することは、決して望ましいことでもありません。
売主は高く売りたい、買主は安く買いたいものですよね?
担当の営業マンは依頼者の利益が最大化されるように努力すべき存在ですが、両方を担当した場合、一方が得すれば、もう一方は損することになります。
売主・買主の両方と契約することを、「両手仲介」と呼びますが、このような事情から禁止している不動産会社もある程なのです。
マンション売却で良い営業マンは物件の魅力を上げる・伝えるのが得意!
売却するマンションの買主を案内するのが別だとしたら、自分が契約した営業マンは、販売のために何をしてくれるのか?が重要ですよね。
それは、物件の魅力を上げること、物件の魅力を一人でも多くに伝えることです。
仲介手数料を値引きする替わりに、売却するマンションの水回りクリーニング、クロスの簡易補修を提案されました。
クリーニングやクロス補修で、少しでも物件の魅力を上げる作戦です。
物件の魅力を伝える方法として、不動産会社が発行するチラシの無料掲載も約束してくれました。
不動産ポータルサイトに掲載する文言、一番重要な写真について熱心に説明してくれました。
現代ではインターネットを見て購入するマンションを検討する人が殆どです。
そこで目にする情報が魅力的でなければ、内覧希望者も増えません。
マンション売却における良い営業マンとは、物件の魅力を上げる、魅力を伝えることに長けている必要があります。
いくらトークが上手くても、買主を口説けるわけではないのです。
マンション売却で悪い営業マンは媒介契約を締結することしか考えない!
反対に悪い営業マンは、マンション売却の媒介契約を締結することしか考えていません。
契約した後、物件が売れなければ、値下げすればいいと思っているのです。
不動産会社によっては、売主との契約を担当する営業マン、物件の販売活動を担当する営業マンが別の会社すらあります。
最初に訪問してきた会社もそうでした。
不動産会社としては、流れ作業として効率的にということなのだと思いますが、中古マンションは全く同じ物件というのは存在しません。
高額でもあり、1軒1軒を手作業で売っていく。
だからこそ相場より高く売れる、早く売れる可能性が高まるのだと思います。
流れ作業のように扱われたら、売れやすい物件しか売れていかないでしょう。
弱点があっても、魅力をしっかり伝えてくれる良い営業マンと、契約することをおすすめします。